研究内容
古澤・遠藤研究室では、誤り耐性汎用量子コンピュータの実現を最終目標として、量子テレポーテーションの技術を応用した光量子コンピュータの研究を行っています。
量子コンピュータとは、量子重ね合わせ状態・量子エンタングルメントという量子力学に特有の性質を巧みに利用することで計算を行います。現在使われているコンピュータ(量子コンピュータとの対比で「古典コンピュータ」)に比べて圧倒的に高速な計算が可能になることが知られており、多岐の分野での実現が望まれています。しかしながら、多くの課題が残されており、実用的な量子コンピュータはまだ実現していません。特に、①どんな計算にも使用することができる「汎用性」と、②計算過程で生じる誤りを訂正できる「誤り耐性」の実現が大きな課題となっています。
現在、様々な方式(超伝導量子ビット、イオントラップなど)で量子コンピュータの研究が行われていますが、私達は特に、光の波に情報を載せて計算を行う光量子コンピュータに着目しています。光の波を利用し、量子テレポーテーションという技術を用いることで、上記①②が実現できることが期待されています。さらに室温環境下で動作可能、大規模な計算が可能、さらに原理上クロック周波数を大幅に上げることが可能、という他の方式にはない特徴を持つ実用的な量子コンピュータが実現できます。
私達の研究室では、理論、原理実証研究さらには実用化も踏まえた光回路の集積化の研究も行っています。以下のページでは私達の研究テーマについて解説します。
- 大規模化に向けた「時間領域多重一方向量子計算の研究」
- 万能量子計算に不可欠な「3次位相ゲートの開発」
- 任意の量子状態を生成する「オンデマンド量子状態生成器の開発」
- 実用化に向けて複雑な実験系を集積化する「導波路光量子回路」
- 「誤り耐性量子コンピューターの実現に向けた理論研究」